空き家トラブル


空き家をそのままにしておくことで様々なトラブルが発生する可能性があります。もし、空き家を放置していたことが原因で誰かに被害を負わせてしまったら、所有者の責任が追求される可能性もあります。

建物の老朽化


人が住んでいない家は、手入れがされず老朽化がどんどん進んでいきます。老朽化が進んだ建物は景観を壊します。周辺に住まれている方々も気持ちのいいものではないでしょう。

見た目だけの問題だけではありません。老朽化が進めば建物が倒壊する危険性も高まります。もし、建物やブロック塀などが倒壊し、通行人に怪我を負わせたり、万が一死亡した場合など、空き家の所有書は賠償責任を追うことになります。

不衛生な環境


管理されていない土地は、雑草などが生い茂ります。建物の老朽化と同じく景観を壊します。隣の敷地まで雑草がはみ出すなどすると、ご近所に迷惑をかけます。野良犬や野良猫が住み着いたり、不法投棄の場所として利用されたりする可能性もあります。

不衛生な状態になってしまうと、害虫が発生したり、悪臭が発生したり、ご近所とのトラブルに発展してしまう可能性が高くなります。

治安の悪化


空き家は治安の悪化を招くともいわれています。空き家は放火犯にターゲットとして狙われやすいそうです。逃亡中の犯罪者の隠れ家として利用される可能性もあります。前述した不法投棄も犯罪です。

税金の負担が大きくなる可能性


空き家であろうと、固定資産税と都市計画税の2種類の税金を支払う必要があります。また、「特定空き家」に指定されてしまった場合、住宅用地の課税軽減措置から除外されてしまうため、税金の負担が大きくなってしまいます。

国土交通省では、以下のような空き家を「特定空き家」と定義しています。

  • そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態


空き家はどうするべきか


管理できない空き家を所有しているのであれば、トラブルを避けるためにも、可能な限り、早く処分することが望ましいと考えます。

自治体によっては空き家バンクや空き家の有効活用など、空き家問題対策に力を入れているところもあるので相談してみるのも手だと思います。

所有者が認知症などで判断能力不十分な場合


建物の所有者が高齢で認知症等により判断能力が不十分のため、処分をすることができないと相談を受けることもあります。このような場合は、成年後見制度の利用を検討する必要があります。

たとえば、重度の認知症により判断能力が常に欠けている場合は、親族等が家庭裁判所に後見開始の申し立てをし、後見開始の審判がなされることによって、成年後見人が選任されます。その後、成年後見人は所有者の代理人として空き家を処分することができます。