市役所などで行う手続き

死亡日から7日以内

死亡届の提出


死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡者の死亡地・本籍地又は届出人の所在地の市区町村役場に届け出る必要があります。

火葬許可申請書の提出


火葬を行うためには、火葬許可申請書を提出し火葬許可証を発行してもらう必要があります。申請書を提出する際には、火葬に日時や場所が決まっていなければなりません。通常、死亡届と一緒に申請します。

死亡日から14日以内

世帯主変更届の提出


死亡された方が世帯主だった場合、死亡日から14日以内に居住地の市区町村役場に届け出る必要があります。次に世帯主となる人物が明確な場合など、届け出が不要なこともあります。世帯に15歳以上の方が2名以上いる場合は、誰が次の世帯主になるのか届け出る必要があります。

健康保険の脱退手続き


国民健康保険もしくは社会保険の脱退手続きを行う必要があります。

国民健康保険の場合は死亡日から14日以内に脱退手続きを行う必要があります。社会保険の場合は、事業主が5日以内に手続きを行う必要がありますので、速やかに勤務先へ連絡をしてください。

年金の停止・清算


年金事務所にて、年金の受給停止と生産の手続きを行う必要があります。未支給の年金がある場合、死亡者と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。

死亡日から3年以内

保険金請求


生命保険や損害保険に加入しており、死亡保険金を受け取る権利がある場合、請求の手続きを行う必要があります。請求できるのは、被保険者が亡くなった日から3年以内とされています。

自動で支払われるものではないので、忘れずに請求しましょう。生前から加入している保険内容を把握しておくことも大切です。

死亡日から5年以内

遺族年金の請求


一定の条件に当てはまる遺族がいる場合、遺族年金を受け取ることができます。遺族年金を受け取る権利があっても、請求しないと受け取ることができません。死亡日から5年経過すると、時効によって受給する権利が消滅します。忘れずに早めの手続きを行いましょう。

できるだけ速やかに


期限が定められているわけではありませんが、以下のような手続きはできるだけ速やかに行った方がいいでしょう。

  • 運転免許証の返却
  • 公共料金などの支払いの名義変更
  • 携帯電話の解約


財産に関するお手続き


遺言書

遺言書の有無の確認


まずは、被相続人(亡くなられた方)が遺言書を残しているかどうかを確認します。遺言書が残されている場合、どんな財産が残されているのかがわかり、相続に故人の意思を反映することができます。

故人が生前から周囲に遺言書の存在を伝えていれば、どこで確認すればいいか、どこを探せばいいか、すぐにわかることでしょう。では、故人から何も伝えられていない場合、どうやって遺言書の有無を確認すればよいのでしょうか。

遺言書には、以下の3種類があります。

  • 自筆証書遺言
    • 遺言者自身が作成する遺言書
    • 法務局の遺言書保管制度が利用できる
  • 公正証書遺言
    • 公証人に作成してもらう遺言書
    • 公証役場で原本を保管してもらえる
  • 秘密証書遺言
    • 遺言者自身が作成する遺言書
    • 公証役場で遺言書の存在のみ認証してもらえる
    • 利用されることは少ない


自筆証書遺言を法務局に預けている場合や、公正証書遺言を作成している場合は、法務局や公正役場が遺言書の検索のサービスを提供しているので、こちらを利用することで、遺言書の存在を確認することができます。

遺言書を自分自身で保管をしている可能性がある場合、家の中など思い当たるところを探す必要があります。

もし、遺言書らしき封筒などが見つかった場合、勝手に開封してはいけません。遺言書の開封には家庭裁判所による検認手続きが必要です。検認手続きをせずに開封した場合、5万円以下の過料に処される場合があります。

検認手続きは、遺言書の改ざんなどを防ぐために必要な手続きです。法務局の遺言書保管制度を利用している場合や、公正証書遺言を作成している場合は、検認の手続きは不要となります。

以下のコラムで、自筆証書遺言の保管制度や方式緩和について詳しく解説しています。

自筆証書遺言書保管制度の開始。遺言書は法務局に預けることができるようになります。
自筆証書遺言の方式緩和。財産目録は自書する必要がありません。

法定相続人の調査


故人が残した財産をどのように引き継ぐのか、法定相続人全員で、遺産分割協議を行い合意する必要がありますが、遺産分割協議は、法定相続人が一人でも欠けていると無効になってしまいます。

そのため、遺産分割協議を行う前に法定相続人の調査を行います。故人の出生から死亡までの全戸籍を集め、誰が法定相続人にあたるのかを調査します。

法定相続人が誰か把握できていることがほとんどですが、稀に、養子縁組や認知した子供を把握できていなかったということもあります。

相続財産の調査


遺産分割協議を行うためにはどのような財産が残されているかを調査する必要があります。

一般的に、財産として残されるのは預貯金と不動産です。預金通帳や、固定資産税の通知書などの郵便物から、調べることが可能です。遺言書がある場合は、財産目録からも調べることができます。

相続放棄・限定承認


残される財産はプラスのものだけとは限りません。借金などのマイナスの財産も相続の対象となります。

相続の仕方は以下の3種類あり、3ヶ月以内にどの方法で相続するかを決める必要があります。3ヶ月以内に、相続放棄もしくは限定承認の手続きを行わなかった場合、単純承認を選んだとみなされます。

  • 単純承認
    • プラスの財産、マイナスの財産全て相続する
    • プラスの財産が多いときに選択することが多い
  • 相続放棄
    • 相続の権利を全て放棄する
    • マイナスの財産が多いときに選択することが多い
  • 限定承認
    • プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する
    • プラスの財産、マイナスの財産の割合がわからないときに選択することが多い


被相続人の準確定申告


故人が亡くなった年に、故人に収入があった場合、準確定申告を行う必要があります。準確定申告の申告期限は4ヶ月以内です。

遺産分割協議


故人が残した財産を、誰がどのような割合で引き継ぐのか、法定相続人全員で話し合い合意します。話し合いで合意できない場合、遺産分割調停や審判の手続きをとることもあります。

遺産分割協議に期限はありませんが、相続税の申告期限が10ヶ月以内なので、10ヶ月以内に合意できるのがいいでしょう。

不動産の名義変更手続き、預貯金の解約手続き


遺産分割協議にて、誰が財産を引き継ぐか決まったら、不動産などの名義変更が必要なものは、名義変更の手続きを行います。預貯金は解約の手続きを行い、遺産分割協議で決めた内容に従い分配します。

相続税の申告


相続には相続税という税金が発生します。相続税の申告期限は10ヶ月以内です。

ただし、相続税には基礎控除額があり、基礎控除額内に収まる場合は、相続税の申告及び納税は基本的に不要となります。相続のほとんどのケースが、この基礎控除額内に収まっています。

基礎控除額は以下の計算式で求めます。

3,000万円 + (600万円 x 法定相続人の人数)

法定相続人が3人(妻 + 子2人)のケースであれば、相続財産が4,800万円を超えない場合は、相続税がかかりません。相続税の申告も基本的には不要です。

※ 相続税が発生しない場合でも、特例や控除などで申告が必要な場合もあります。

まとめ


今回は、一般的に必要になると思われるお手続きについてご紹介しました。状況によっては今回紹介した以外の手続きが必要な場合もあります。

特に、財産の相続手続きはやるべきことも多く、状況によって行うべき手続きが変わったり複雑になりがちです。専門家にアドバイスをもらうことでスムーズに進めることができるでしょう。

相続の手続きでお困りの場合、是非弊所にお気軽にご相談ください。初回相談は無料で行っております。詳しく状況をヒアリングし、あなたに合った必要な相続手続きについてアドバイスさせていただきます。